廃棄物処理法

「廃棄物処理法」(はいきぶつしょりほう)は、正式名称を**「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」**といい、日本において廃棄物の適正な処理と生活環境の保全を目的とした法律です。1970年に制定され、以降、何度も改正が行われています。


🔍 法律の目的

この法律の主な目的は次の通りです:

  1. 廃棄物の適正な処理の確保

  2. 生活環境の保全

  3. 公衆衛生の向上


🧾 廃棄物の分類

廃棄物処理法では、廃棄物を以下のように分類しています。

1. 一般廃棄物

  • 家庭から出るごみ(生ごみ、紙くず、粗大ごみなど)

  • 事業活動に伴うごみで政令により産業廃棄物に該当しないもの

2. 産業廃棄物

事業活動に伴って生じる廃棄物で、法令により指定されているもの(以下はその例):

  • 廃油、廃酸、廃アルカリ

  • 廃プラスチック類

  • 金属くず、ガラスくず、コンクリートくず

  • 建設廃材(がれき類)

この中でも特に有害なものは特別管理産業廃棄物として、より厳格な規制対象になります。


🛠 処理の義務

区分 処理責任者 処理方法の概要
一般廃棄物 市町村 自治体の責任で収集・運搬・処分(家庭ごみ)
産業廃棄物 事業者(排出事業者) 委託または自らの責任で適正に処理

📄 主な義務と規制

  1. 許可制

    • 廃棄物の収集運搬・処分を行うには、都道府県知事の許可が必要。

  2. マニフェスト制度(産業廃棄物)

    • 産業廃棄物の処理過程を文書で追跡し、適正処理を確認する制度。

  3. 不法投棄の禁止

    • 廃棄物を不法に捨てることは厳しく禁じられ、罰則が科される。

  4. 排出者責任

    • 廃棄物を出した者が最終的な責任を負う「排出者責任の原則」。


⚖️ 罰則例

違反内容 罰則
無許可で産業廃棄物を処理 5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金
不法投棄 同上(法人の場合は最高3億円の罰金)

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